特養を中心とした高齢者入居施設からデイなどの通所施設、また在宅支援に至るまで、地域の福祉を総合的に支えている社会福祉法人白女林の短期入所生活介護事業所(ショートステイ)18名の増築計画です。

ショートステイは限られた時間を過ごす施設ですが、利用者の日常生活の延長となるように住宅的なスケール感や素材感を大切にしました。9名を1単位とするユニット2つで構成されていますが、居室3つ毎にクラスターをつくり、併せて共用のトイレを設け自立と相互見守りを可能にし、コンパクトで安心感のある構成にしました。

2つのユニットに囲まれた形で中庭を配置しました。小さな中庭ですがデッキが敷かれ平屋であるため十分な日差しと適度な風を感じることができる第2のリビングになっています。また夜間にはスタッフがガラス越しに全体を見渡すことを可能にする機能的な役割も果たしています。

外観は既存建物にならっていますが、まぶしさをきらう高齢者のために軒を深くし自然光の侵入を抑え、その分インテリアは木の素材をそのまま活かした明るい色調としました。鉄筋コンクリート造の建物ですが二重床のフローリング浮床とし、足元もやさしい安全で居心地の良い空間づくりを心掛けました。