築後30年近くたった建物の全面改修において、体育館を増築する形でステージを増設するとともに、既存体育館の内外装及び設備機器の全面的な改修工事を行いました。

既存体育館は格技棟も一体となった4階建ての建物であり、4階部分に体育館があることから、増築棟も必然的に4階建てとなりました。ステージ設置のため、増築部分にあたる端部の柱梁を撤去し、耐震診断の上耐震補強工事も同時におこないました。下階部分の利用にあたっては、学校全体の機能強化を図るべく、既存部分も含めて全面的に階層構成の検討を行った結果、体育教官室と剣道場の移設や男女更衣室の増設、エントランスホールの新設をしています。

エントランスホールは、増築部分に以前建っていた講堂のモチーフをインテリアに取り入れるとともに、講堂で実際に使用されていたシャンデリアをオーバーホールして再利用し、講堂の歴史が記憶にとどまるようにしました。また、白と木材の素地色を基調とし、高校生らしく、明るく清潔感のある内装となるように計画しました。 

仕上げ材を既存体育館とあわせて一体感をもたせつつ、眺望に恵まれた高台に面した東面を、講堂をイメージしたシンメトリーなファサードデザインとすることで、伝統校としての重厚感のある落ち着いた外観となっています。