福島県郡山市を中心に精神科医療や高齢者・障がい者福祉を展開する法人が、市街中心部に地域の拠点となり法人の情報発信基地の役割も果たす複合施設を計画しました。

1階は地域に住まう方々が気軽に立ち寄れるパン工房やカフェとし、障がい者の就労支援の場にもなります。2階はカウンセリングや企業のメンタルヘルスをサポートするEAPオフィス、3・4階はメンタルクリニックとデイサービスが入ります。

法人の拠点として将来さらに展開することを意識し、隣地に増築した建物と屋外階段部でつなげることができる構成としています。一方で、商業ビルとして将来に渡り各階毎に賃貸できるよう、無駄のない単純な平面形としています。

道路側壁面に2層に渡るR状のガラスの壁を斜めに差し込み、直方体のシンプルな外観に変化を与えると同時に、訪れた方をカフェ・パン工房に引き込む仕掛けとしています。

EAPオフィスやメンタルクリニックは入口を別に設け、カフェの賑わいに紛れながら会社や学校帰りにさり気なく立ち寄れることを意識しました。

カフェに訪れた方を出迎える2層吹き抜け部の大きな壁には素朴なレンガタイルを一面に貼り、床や家具などは木質素材で構成しました。パン屋を併設した明るく賑やかなカフェは夜になると落ちついたバールとなり、昼夜どちらにも相応しいインテリアを模索しました。