雄大な榛名山と赤城山を背景に関東平野を見下ろす立地にある精神科を主体とした病院の一部建替計画です。増築棟により内科病棟の改築・精神科病棟の機能強化、外来や管理部門の拡張を図り、既存改修も含めて病院全体の機能を充実させました。

今回プロジェクトではこれまで地域で信頼され、実践されてきた精神医療・高齢者医療に対して、より病院を訪れて頂きやすいようにハードルを下げていくことが大きなテーマになりました。病院に訪れた方をまず初めに迎えるエントランスホールは、水・緑・光をインテリアに引込み周辺環境との連続感をもたせて演出するなど、待ちや交流の場として親しみやすい空間を用意しました。

上下に積層させた内科と精神科という2つの性質の異なる病棟は、同じクラスター型の構成をとりながらそれぞれ特徴あるものにしています。内科では看守りやすさに配慮しつつも治療や療養に専念できる落ち着いた個室的多床室とし、精神科においては多床室にも個の領域で仕切る戸を加え、ほぼ個室に近い環境を達成しています。