滋賀、岐阜県にまたがる伊吹山山麓を水源とし清らかな水をたたえる相川に面してこの複合建築は建てられました。のどかな山や川の風景を享受できる、個室のみで構成されたユニット型老人保健施設(老健)、グループホームと通所リハビリテーション(デイケア)、周辺の関係施設の給食をも支える厨房の複合体です。

個別的なケアとプライバシーの尊重を実現するため、10室すべてが個室のユニットを老人保健施設では1フロアに3ユニット配置しています。3つのユニットのスタッフ拠点を近接させることで、少ないスタッフ数となる夜間も互いに助け合えるプランとしました。また、木製ルーバーのバルコニーに面したリビング(共同生活室)、木造家屋で見慣れた長押を感じさせる造作(飛び長押)を施し、できるだけ住宅を感じさせるしつらえとしています。

グループホームは、地域とのつながりを保てるよう独自の玄関を持ち、独立性を保ちながらも3階の展望浴室や1階のデイケアの利用、老健との夜間スタッフ連携もあわせて複合体のメリットを活かす運営が可能です。

住宅的なしつらえと豊かな自然環境の恵まれ、在宅復帰をめざす、あるいは終の棲家となる場所が今日も相川の流れを見つめています。