浜寺病院は大阪府南部の高石市にある精神科病院です。1930年に開院され、精神科救急から慢性期、認知症まで幅広い精神疾患に対応する地域の精神科医療の基幹病院となっています。

敷地は戸建住宅を中心とした住宅街の中にあり、敷地南側は桜の見事な公園に面しています。長年の施設整備によって敷地いっぱいに既存棟が建って一度に建替が出来ない為、病院運用を継続しながら3期に渡る全面建替工事を行いました。2015年に着工し、2016年にⅠ期「はなみずき」棟、2018年にⅡ期「けやき」棟、そして20208月にⅢ期「さくら」棟が竣工し、外構工事を経て20219月にグランドオープンを迎えました。

誰もが心を休めに立ち寄れる「地域に開かれた森の病院」として、木の素材に包まれ、公園の緑も取り込んだ豊かな治療環境を実現しました。接道した敷地東西両面に設けたエントランスを街路のようなホスピタルモールでつなぎ、外来総合待合は開放的な吹抜け空間としています。病棟は全体が見渡せるオープンカウンタ―のスタッフステーションを中心に、南側公園や大阪平野を取り囲む山並みを望む眺望の良い食堂や談話スペースを設け、敷地の制約を感じさせない開放感のある構成としています。様々な症状の患者にも対応できる病床ゾーニングや個別化、さくら病棟には精神科救急病棟を新たに設け、機能の充実化を図りました。

全面建替えによって得た自然豊かな外部空間との連続性が、治療の質の向上に寄与する事に加え、開かれた精神科病院として地域に永く親しまれる存在であり続ける一助になればと思います。

Award

けやき棟(Ⅱ期)

  • 第52回SDA賞入選(2018)/日本サインデザイン協会
  • 第52回SDA賞・関西地区(2018)/日本サインデザイン協会

はなみずき棟(Ⅰ期)

  • 第51回SDA賞・関西地区(2017)/日本サインデザイン協会

受賞歴→