医療を通じての地域社会への貢献を社是とし、調剤薬局を運営する事業主が新規に立ち上げた施設です。計画地は生活利便性が高いながらも田園風景が残る閑静な住宅地です。

高齢化率が高く特別養護老人ホームの未整備地区であり、まとまった広さの借地を得て市の事業者選定を受け具現化しました。

計画の方針

  • 周辺への景観的配慮:2階建ての周辺になじんだボリュームとした。
  • 地域交流スペース:利用しやすい位置に配置し多目的な利用に対応させた。
  • 豊かな外部空間:広い外部空間を利用し、リハ庭園、果樹園、散策路、植え込みを整備した。
  • 五感に訴える共用空間:三方向(+上部)に開口を設け、景色を眺め、光と風を感じることにより残存能力を引き出せるような空間とした。
  • ストレスの軽減:明るく住宅的ななじみやすい設えとした。
  • スタッフサービスの質の向上:2ユニットをクラスター単位とし、スタッフの連携、夜勤一人対応が可能なスタッフステーション配置とした。

市の整備要綱への対応

整備要綱を十全に満たす計画としました。

  • 全室に二方向避難バルコニーを設置した。
  • 実質廊下幅員1.8m(緩和なし)を確保した。
  • 介護に対応しやすい共用スペース囲み型居室配置とした。  
  • 動線の清汚分離を行った。

法人の計画理念

それぞれのユニットを一つの家族として考え、一人一人の個性を尊重しながら、お互いの思いやりを大切にし、食事や散歩などの日常の中で季節の野菜、果実、花にふれあいながら安らぎと自然を感じられるような施設整備を行いたいとしています。この理念に建物が対応できていれば幸いです。