鹿沼病院で働く職員の子供を預ける定員20名の保育所の建替えです。建物の計画にあたっては、保育室、乳児室の基本空間をシンプルに使いやすくするよう心がけながら、そこから一歩出たスペースをいかに豊かに、連続性のある、楽しい空間にするかを模索しました。
まず、低年齢と高年齢の子との交流、親同士、保育士と親のコミュニケーションが繰り広げられることを想定し、保育室と乳児室の間の空間を通路としての機能だけではなく、ホールとしました。そこはハイサイドライトのある開放的な空間です。ホールと保育室を仕切る建具を開け放つことで一体の空間となり、イベント時の対応も可能としています。乳児室は可動間仕切りを設け、人数や活動範囲が調整できるようにしました。
調理室は乳児室に隣接させ、そこから保育室、ホールの様子が見渡せるように一部ガラス貼りとしました。
保育室は屋根のかかった屋外のテラスにはだしで出られるようにし、保育室⇔テラス⇔ホールをぐるぐる駆け回る「動」の活動と、積み木遊びや絵本を読んだりする「静」の活動を、可動家具で自然に仕切れるようにしました。壁際に寄せれば広い空間ができます。保育室は園庭に面して明るく開放的な空間、乳児室は借景に深緑を望む、落ち着いた空間となっています。便所は、行くのが楽しくなるような空間を目指し、カラフルな色彩としました。