JR盛岡駅の南東約4km、ロードサイドショップが建ち並ぶ、国道4号線沿いに立地し、東方に北上川、北方に岩手山を望む病院の増築と改修です。
敷地内には9年前に建替えた病院棟と、同時期にデイサービス・短期入所の介護施設に用途変更した在宅総合センター棟があり、先年の震災では軽微な被害を受けましたが、介護と連携のとれた医療サービスを提供しています。
今回の増築は、MR装置の導入、リハビリスペースの拡充、医局など管理・診療機能の向上を図ることを主眼に、介護部門のリフレッシュ改修と併せて、より地域に密着したサービスと、その質の向上・展開を図る計画です。
増築部は、既存の病院棟と在宅総合棟双方との連絡および将来の展開を考慮して、両棟の狭間の空地に嵌め込み、それぞれの個別性を残しながら、一体感のあるファサードを形成しました。
設計段階では、病院各部と密にヒアリングを行い、患者に優しく、職員に使いやすい施設空間を目標に、震災復旧需要による労務不足と工事費の上昇にも留意しながら、各部を構成しました。
工事は診療を継続しながらの作業で、建物越しに200tクレーンで鉄骨を組立て、既存躯体や設備との取合い調整など、神経を使う場面も数多くありましたが、病院各位のご理解・ご協力と工事関係者の尽力により、無事予定通り完成させることが出来ました。
今後も、これまで培ってこられた地域とのつながりを活かして、利用者の様々なニーズを汲み取り、医療と介護のシームレスなサービスが継続的かつ発展的に提供されることを願っています。