持続可能な小児救急医療体制の確立と、市民が安心して子育てができる街を目指し、急病の子ども達を夜間、休日365日受け入れる初期救急拠点として、『神戸こども初期急病センター』が、HAT神戸(神戸市東部新都心)にオープンしました。

訪れる急病の子どもたちのほとんどは、このセンターで診療を受けて自宅に帰りますが、入院が必要な子どもなどは、後送の2次、3次病院に確実に向かうことができます。オープンしてから、西は明石市から、東は芦屋市からもセンターに訪れているようです。

子どもたちとその家族が安心して訪れることができる環境づくりをめざしました。スタッフが効率よく安心して働くことができれば子どもたちや家族にゆったりと接していただけると考え、スタッフ動線を明確に分けました。ゆったりとした待合ホールを中心に受付から診察、検査、処置、投薬、会計といった一連の流れがスムーズに流れるよう、待合から全てが見通せる配置としました。

HAT神戸の海辺に立つに相応しいデザインを心掛けました。広く市民に開かれ、訪れる子どもや家族をやさしく受け止める象徴として、緩やかな曲線のキャノピーが建物を包み込むようにしています。

海の波やそよ風のように柔らかい勾配屋根とヨットの帆をイメージしたオフホワイトの外壁がどこからも見え、建物にリズム感を与え、訪れる子どもたちやその家族が元気になって帰っていく姿をイメージできる軽快なデザインとしています。