長年、健診から2次救急・リハビリまで地域の身近な医療を支えてきた松山城東病院が現病院の南側にある駐車場を利用して念願の全面建替を実現したプロジェクトです。コンパクトで高効率でありながら、すべての利用者にとってやさしく豊かな環境となる病院建築を目指しました。

■訪れやすい病院
病院を訪れる目的ごとに相応しいアプローチを用意しています。外来、健診、入院・見舞の来院者は開放的な2層吹き抜けのエントランスホールから、【外来中待ち】、【オープン階段から2階健診受付】、【エレベータ―ホールを介して各階病棟】へと自然に目的地へ誘導され、開放的でありながらプライバシーにも配慮した動線が確保されています。

■検査部門の相互利用
X線、CT、MRIや心電図・エコー・内視鏡などの検査部門は外来・入院患者と共に健診受診者も利用する部門です。治療を目的とした患者と健康な状態の利用者が同じ空間で検査を待つことの違和感を払拭するために、それぞれ単独の動線・待合を持つことで両者の交錯を最低限に抑える工夫をしています。

■療養環境を大切にした空間づくり
病棟内をいくつかのゾーンに分割することで、症状、性別などで病床をコントロールしやすい構成です。個室的な病室の外にも居場所があり、気分転換、病棟リハビリが行える環境を用意しました。