青森市立浪岡病院は、浪岡町立病院として1970年に開設され、その後の市町村合併により地域医療を担う病院へと役割が変遷してきました。「病床数見直し・機能分化」「公立病院の役割の明確化」「病院再編・ネットワーク化」等諸課題の検討の結果、現在地建て替えによるリニューアルが選択され、地域包括ケアシステムの中核病院として生まれ変わりました。病床数は235床(精神科含む)から一般病床35床に縮小再編されています。
地域包括ケアシステムの中核病院としての位置づけに加えて、地域コミュニティーの拠りどころという役割も期待されるため、ホスピタルモールや地域開放ホール等を設け、屋外広場との一体的な活用もイメージしています。内装インテリアには地元産の青森ヒバやねぶたを連想させる和紙材を使用することで、地域に馴染んだ、迷わず分かりやすい病院となることを意図しました。家族にとっての訪れやすさや自然との関係性、将来的に入居系福祉施設に転用しうるといった性能を意識して、病棟は外来部門と同じグランドレベルに配置しています。