自靖会親水クリニックは、人工透析センターを有する腎不全と泌尿器疾患の治療を専門とするクリニックです。老人保健施設に併設しており、高齢者が多く住まう住宅地に位置しています。

本計画では、入院を必要とする患者さんが地域を離れることなく慣れ親しんだ環境で入院治療を受けられるよう、より総合的な医療の実現を目指し、19床の病棟を新たに設けました。また外来機能を強化するため併設する既存クリニックよりその状態を移しました。

周囲は低層住宅と幅4mに満たない道路に囲まれており、制約の多い細長い形状の敷地です。病室を廊下に面して重ね合わせて配置することにより、コンパクトに全室個室病棟を実現しました。外観はこの病室配置を生かして、小さなボリュームを組み合わせることにより、周辺住宅への圧迫感を解消しています。

病棟の内装は天然木とクロスを使用し、患者さんもご家族も安心して過ごすことのできる、安らぎのある空間を目指しました。外来部門は白を基調とすることにより、待合の奥にまで自然光の届く明るい空間としています。