今回プロジェクトの南棟は、10年前に完成した東棟に接続する形で2病棟と外来診療及び管理部門等の主機能を増築したものです。
東棟計画時の提案でもある、病院全ての機能に支障をきたすことなく更新していく、というマスタープランに基づき、当時の構想をさらに強化する形でこの南棟を再構築しています。

精神科病院建築の課題は、療養環境を整え長期の入院生活を支えるハードから、地域の中で生活しながら治療をするための環境づくりへと変化しています。そのため、早期受診を可能にするアプローチしやすい外来部門と短期に集中治療し早期退院を促す病棟部門を目指しました。

エントランス廻りは、敷地の高低差を利用し、正面玄関とデイケア玄関をダイナミックな吹抜空間でつなぎ地域に開かれた明るく開放的なホールとしています。一方で、そこから続く外来診療部門は、ヒューマンスケールでプライバシーに配慮した落ち着きのある居心地の良い場所としました。

病棟は、個のスペースを確保できる多床室と個室とで構成され、患者さんの症状に応じて環境を選択できる空間となっています。病棟内にも自然光や風の流れを感じる食堂やラウンジなど、生活のリズムを組み立てて頂く環境を十分に用意しました。

周辺の美しい山並みと上田市街をともに望むロケーションを活かし、病院のコンセプトでもある光と緑にあふれる空間が東棟と一体となって完成しました。