病院の再生に向けて

「散居村」で有名な砺波平野のほぼ中央にこの病院は位置しており、「砺波医療圏」の中核的な病院としての役割を果たしている。現在地で改築整備する方針に基づき、複雑な建て替えプログラムを構築することにより、医療ニーズに的確に対応する病院に生まれ変わった。整備方針で、①療養環境の改善、②高機能病院としての施設整備、③災害時拠点病院の性能確保、の3点が主題として設定された。

配置計画と建て替え手順

<現在地建て替え>における設計上の課題として設定したことは次の条件である。

①診療の継続という観点から、改築の全ての段階で病院機能を充足させること。
②完成した部門構成・動線計画等が機能的であること。
③将来の増改築の可能性を確保しておくこと。

既存の主要建物6棟のうち、2棟を解体して新棟を建設し、残る4棟を改修して全体を新らたな病院として再生させるという条件から、次の3つの段階を経ることとした。工事工期は、全体で約5年を要した。

第1段階 新棟の半分を建設し、地域救命センター及び病棟の半分を整備。
第2段階 新棟の残り半分を建設、既存棟と一体化した外来・その他の部門を整備。
第3段階 新棟完成後、残置建物4棟を改修すると共に、外構全体を整備し完成。

掲載誌

  • 雑誌 『病院』 第66巻 第7号(2007.7)
  • 会誌 『全国自治体病院協議会誌』 第44巻 第8号(2005.8)