新しい「風」

最近の新しいマンションと、古くからこの土地にある戸建て群の混在する街並みの中で、新しい「風」を吹き込むことをテーマとしたプロジェクト。

外観は、リズム感のあるシャープな印象を与えられるよう、二丁掛タイルをベースにコンクリート打放しを折り混ぜた構成とし、グレーとブラウンのコントラストを活かして豊かな表情を持たせている。新しい「風」をイメージして、屋根をヴォールトの金属屋根とし、幹線道路に面するバルコニーの手摺壁も曲面とし、屋根の形状に呼応する形状とした。この曲面の手摺壁に半透過のアルミパンチングを用いる事で、建物のスキンのようなイメージを持たせている。時間の変化と共に様々な光を反射し透過することで、様々な表情を浮かび上がらせてくれる。
南側は対照的に建物構成上マッシブな形態となるが、コンクリート打放しとタイルの構成により、リズム感ある力強いファサードとしている。

新しい「風」を住戸に取り込む工夫として、南側の居室には、ワイドスパンと逆梁による手摺壁とすることで、豊かな光と風を積極的に取り込み、ハイサッシにより、リビングと外部空間が一体と感じられると共に、視覚的に広がりをもつ屋内空間となるよう計画している。