本社機能等の事務所、会議スペースと、エステティックサロン、そしてこれを支える技術者養成のためのアカデミーを内包する多機能ビルである。

ファサードはにぎわいの連続性を確保しつつ、この建物の顔となる1階、地階にサロンとアカデミーを配置し「街路の顔」を透明感のある素材で表現、本社機能を持つ2,3階に「都市の顔」を陰影のある石粘りで存在感を主張し、4階以上の多機能空間を「交流の顔」として反射ガラスによるカーテンウオールで周辺の街並みを写し込みながら、構造的特徴である前面2本の円柱をシンボル的に扱い情報発信基地であることを表現するという三層構造としている。3階までのマッスを強調することで、街区の裏側に続く住宅地への連続性も違和感の無いものとしている。

インテリアは女性の美を追求する社のアイデンティティーを表現するため、清潔感のあるナチュラル指向、そして品の良さに心掛けた。限られたスペースの中で、開放感と心地よい緊張感が同居する空間とするために、間接照明を多用し、ナラやメープル等の天然木を各性能に応じて染色し、大理石やステンレス、アルミなどの質感を生かした線材による端正なディテールをめざした。