川越の地において長年住民に親しまれてきたシアター(映画館)が皆に惜しまれつつ閉館となった。その建物を隣接地の病院が買い取り、建物をそのまま利用して病院の診療部門にコンバージョン(用途変更)した物件である。

シアターは非常に特徴のある外観であったが、もともとの雰囲気を残しつつも隣接する病院と一体感が出るように全面改修をした。

インテリアは落ち着いた柔らかい雰囲気で、病院っぽさを極力感じさせないことに考慮した。特に2階の総合健診センターは長時間拘束される人間ドッグの利用者が、あきることなく過ごせるよう、ホテルライクなイメージとした。

一般的にシアターは暗室空間のため開口部が少ないが、構造上許される範囲で開口部を設け、さらに2層吹き抜けの高さを生かして天井の形状に変化をつけて閉塞感のない空間構成にした。