長野県上田市で二十数年前から継続的に建替えを行ってきた精神科病院の増改築計画です。今回の建替えでは、「病棟を増築2棟の拡張により再編成する計画」と「より地域に開かれた病院としての役割を担う機能を新西棟に付加する計画」の2つを軸に整備を行いました。
■既存と調和する「新しいファサード」
外観は、長年愛されてきた既存棟との調和を重視し、基本となる白系タイルを素材や目地色を使い分けて組合せ、淡い青色タイルをポイントに、ディテールも工夫して構成しました。
新西棟のファサードは「地域に開く」 機能を、これまでの病棟の外観とは少し異なるものとして表現するべく、温かみのある木ルーバーや左官材、内外をつなぐ庇などを採用し、外部から自然に人を誘い込む佇まいとしました。
■地域との接点となる場所
新西棟のエントランス廻りは、地域との接点をつくるコミュニティプラザともいえる場です。売店や美容室、就労支援の場となることを想定した店舗を展開することで、院内外の人が集う様々な空間を生み出しました。
内装デザインは、患者にとっては病棟とは異なる雰囲気を感じられ、スタッフにとってはリフレッシュのきっかけとなるようイメージしました。
■再編成により特徴のある病棟を実現
既存から拡張する形で、 救急病棟に準保護室・保護室を増やしたユニットを増築し、より多様な患者を受けとめる急性期医療の環境を整えました。個室率を高めるとともに、スタッフの見守り拠点も新設し、安全性とプライバシーを両立させながら、患者の状態に応じたケアを提供できるよう計画しました。
建築には医療を支え、地域に精神科医療への理解を広げる力があると信じ、既存棟と同じように長く愛される建物となるよう心掛けました。