特定医療法人研精会の「山田病院」が「東京さつきホスピタル(20205)」として生まれ変わり、その移転した跡地に介護付き有料老人ホーム「デンマークINNつつじヶ丘」が完成しました。府中、深大寺、調布、小田原で展開している「デンマークINN」シリーズは、デンマークが掲げる高齢者福祉3原則:生活の継続性自己決定の尊重残存能力の活用をベースに「INN(小さなホテル)」のように快適な生活が送れる場を提供する、というコンセプトで運営されています。

私たちが「つつじヶ丘」の設計・監理の機会をいただいた際、今回もその理念を大切に引き継ぎ、高齢になり介護が必要になっても住み慣れた地域の中で楽しく穏やかに暮らせる場をつくることを目指しました。

つつじヶ丘駅から徒歩5分ほど、東京さつきホスピタルにも近接した恵まれた立地です。

周辺の住宅地に馴染むよう、やわらかな雰囲気を持つタイル張りの外観とし、入居室にバルコニーによる深い軒をつくることで、近隣住民と入居者双方のプライバシーに配慮し、居住環境の質を高めました。

入居室は長く住み続けられるよう、介護度に合わせて便所の扉を開閉し介助しやすくするなどの工夫をし、限られた面積を最大限活用できるようにしました。各フロアにはメインのリビング・食堂以外に、小さなリビングや談話コーナーを用意し、居室以外にも思い思いの場所で過ごすことができます。1階にはリハビリやサークル、職員の研修や地域のイベントなど多様な活動に対応できる、明るく開放的な多目的ホールを、4階には車いすの方でも安全に外部で土いじりなどを楽しめる屋上テラスを設けています。

介護するスタッフの方々にとっても、見守りやすい空間構成とし、入浴やトイレの介助の負担を少しでも減らせる工夫を重ねました。 

デンマークINNつつじヶ丘が、入居される方ひとりひとりが生き生きと暮らし続ける場となり、地域を照らす存在となることを確信しています。