平成元年に全面建て替えをおこなった県立精神科病院の改修で「精神科急性期治療病棟」から「精神科救急入院料」の施設基準を満たす病棟への転換が主目的である。

計画当時の実入院患者数を基本とし、病棟や患者の属性を考慮しながらなるべく少ないステップで病棟の引越を行い、改修を進めるように計画した。結果、計5期11ヶ月に渡る工事となった。
精神科急性期の患者の症状は多様で、初期段階での保護、集中観察を行う期間が必要である。

  • 安全でありかつ療養にふさわしい豊かな空間であること
  • プライバシーが保たれていること(個室化の方向性)
  • 段階的な回復状態に応じてコミュニケーションの空間が選択できること

が重要であると考えた。

15年前、全国に先駆けて新しいコンセプトを持つ病棟を計画したが、今回の改修は北病院が今後も時代の要請に応じて変化し、常に地域に貢献できる最先端の県立病院であり続けるための一つのステップと位置づけられるだろう

掲載誌

  • 会誌 『病院建築』 No.92(1991)
  • 会誌 『全国自治体病院協議会誌』(1992.2)
  • 雑誌 『病院』 Vol.51 No.10(1992.10)