本計画は、サービス付き高齢者向け住宅でも有料老人ホームでもない、60歳以上であれば誰でも入居できる、新しいタイプの高齢者向け共同住宅です。

1階には、地域に開放された吹き抜けのある空間=パサージュを設け、飲食や談話、ライブラリーなど様々な使い方ができるようにしました。ここが地域活性化の起点になるとともに、上階に住む高齢者が地域活動に参加しやすくなり、充実した社会生活を営むことができると考えました。各テナント、住戸、事務所などへはパサージュを通ってアプローチできる設えとすることで、賑わいのある空間を演出しています。

2階から上が高齢者向け住宅(30戸)の計画です。高齢者向けといっても、若い人が住んでも違和感がなく、介護が必要になっても生き生きと住み続けられるさりげない配慮が求められました。各住戸は細かく仕切らずゆったりとした空間で、玄関から奥に行くに従いプライバシーが高まる設えとしています。

外壁とパサージュ壁面に使用したタイルは、細かな横線のテクスチャーをもった一般に普及しているタイプですが、これを市松状にデザイン貼りすることで、光の当たり方、見る角度によって繊細かつ華やかな表情の壁面を構成することができました。

(Hauskaaとはフィンランド語で『楽しい時間』という意味です。)