隣接する宮地病院と共に地域を支えてきた介護老人保健施設あずさが、移転に伴い建築としての老健の役割を終え、病院を支援する複合施設としてコンバージョン(※1)を行ったプロジェクトです。住宅市街地に建つコンパクトな52床の老健でしたが、建物の骨格を出来るだけ活かしながら、病院周辺に分散していた医療福祉関連事業所を集約し、新たな複合施設として生まれ変わりました。

病院に面する1階には在宅支援部門を配置し、旧食堂・厨房の広い空間を活かして3つの事業所へと改修し、病院からの来訪者も訪れやすい構成にしています。地階の大浴室や機能訓練室は、最低限の改修にとどめ約350名の職員更衣室やスタッフ休憩スペースに転用させました。
2階は、3ヵ所に分散していた保育所をひとつに統合しセキュリティが保ちやすいフロアに配置しています。元療養室の界壁を取り除き、横長の保育空間とし、乳児と幼児を緩やかに分けつつスタッフが見守りやすい空間としています。3階は、元療養階の間仕切をほぼ取り除きました。約6mスパンで残る柱には鏡を貼り、撤去が困難な縦主配管は竹で囲う等、目線を遮るものを極力減らし、地域住民にも開かれた大空間の「ポラリスホール」を誕生させています。

※1 コンバージョン
建築物をある用途から別の用途に変更するために修繕、改修、増築を行うこと。
(公共建築協会リノベーション・コンバージョン部会冊子より引用)