山河に接する自然と温もりのあるインテリアで迎える市民のための病院
-大崎市民病院鳴子温泉分院-

紅葉に映える黄色のタイルを採用した外観

戦前に陸軍病院として誕生した病院が、戦後は「国立鳴子病院」として厚生省に所管替えした後、「町立鳴子温泉病院」となり、さらに市町村合併の際「大崎市民病院鳴子温泉分院」となったという、長い歴史を刻んできた病院です。

市の高度医療を担う本院を中核とする大崎市地域包括ケアシステムの一翼を担う病院として再整備されました。特別豪雪地帯に位置する人口5,000人程のこの地域では、冬場ともなれば最も遠い集落からこの分院まで来るのにも1時間近くかかり、地域医療における役割は大きなものがあります。

コンパクトで効率性の高い病院

旧病院から1/3の規模に縮小しましたが、各機能をコンパクトにまとめ、効率的な診療が行える計画としました。小規模の病院ではスタッフが効率的に動けることが重要です。また、長く雪深い冬季のランニングコストに配慮し、断熱性能の高いサッシ、オール電化を基本とした設備を採用しながら、一部に温泉の熱を回収し給湯に利用しています。

将来に対する可変性に配慮した病院

病棟は、今後の制度改正などにより構成が変わることも視野に入れました。スタッフステーションを中心に、南北にエレベーター・階段、東西に病室を配した病棟プランは患者像に応じたゾーニングが容易です。病室は2割が個室ですが、将来の転換も視野に、4床室を1床室にしやすいよう、また4床室は8㎡/床を確保しました。(図2)

病棟スタッフスーテション

4床室

大崎市民病院鳴子温泉分院 将来への可変性の提案:上下に想定(図2)

4床室を1床室に転換することができる。

地域に愛される病院

外来の入り口の軒天やインテリアには地元産の木材を採用し、住民から親しまれる病院を目指しました。外壁の色は鳴子の紅葉に映える黄色を意識しています。

共用部などに地元産の木材を採用


建築概要

建築主: 大崎市病院事業
所在地: 宮城県大崎市
病床数: 40床(内、地域包括ケア10床)
構造規模: 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 地上2階
延床面積: 3,367㎡
竣工年月: 2021年4月

 

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