福島県郡山市にある知的障害児施設安積愛育園は、東日本大震災で2棟ある建物のうち1棟が全壊の判定を受け、知的障がいを持つ子供たちは仮設建物での生活を余儀なくされ、建替えが急務となりました。敷地内での移転新築の計画が進み、入所機能だけでなく通所、相談機能を併せた「総合児童発達支援センターアルバ」として新たにスタートをしました。

地域で暮らす知的障がいを持つお子さんや家族の拠り所となり、訪れやすい場となることを目指しました。相談部門、通所部門、ショートステイ、入所部門それぞれの勾配屋根が連なりアルバという一つの施設を形作っていますが、そのどこからでもアプローチできることを意識しました。

構造体は日本の多くの家と同じく木造とし、どこにいても子供たちが木のぬくもりを目で見て、肌で感じられるようにしました。

子供たちが安全にのびのびと活動できるよう内外に多様なスペースを用意しました。各ユニットにはリビングと専用テラスを連続させ、日常的に子供たちが遊べる囲われた庭へとつながっています。また、5つのユニットに囲まれて生まれた「ひだまりひろば」は安定した外部空間となり、ユニットをつなぐ廊下と一体になって広がります。エントランス前の舗装された広場は、ロータリーとしても利用しますが、子供たちの遊び場やイベントの会場としての利用もでき、地域との接点としてふさわしいスペースとしました。