介護付有料老人ホーム「カーサ・ヴェッキオ」は福島県郡山市で40年にわたり地域の高齢者福祉を支えてきた法人が、60名定員を増やし、111室として移転新築した計画です。

居室階(2-4F)はコンシェルジュカウンターを中心とし、4つのユニット(8-10室)が放射状に広がる構成としています。スタッフの見守りのしやすさと動線の短縮を図り、同時にユニット間に外部空間を生み出すことで、プライバシーの確保と良好な室内環境を実現します。放射状にヴォリュームが分散していることで、周辺住宅地への圧迫感の軽減も図っています。

1階は関連高齢者施設へ食事を提供するセントラルキッチンと、敷地の高低差を生かした天井の高いコミュニティホールや多目的室、レストランがあります。施設内で多くの時間を過ごす入居者に自室、ユニットリビング、フロア内の食堂、1階の共有スペースといった多様な空間の中での生活を提供したいと考えました。また、1階は家と街との接点として地域の様々な人々の活動を受け入れることの出来る開放的な空間とし、地域の豊かな暮らしを支える建築を目指しました。

掲載誌

  • 雑誌 『建築ジャーナル』 No.1301(2020.3)