設計上配慮したこと

  • 充実した個人環境
    個室的環境を確保した多床室の提案=面格子のない個人のための窓、机、鍵付の収納などの設置により、個を尊重した空間を用意する。
  • 選択肢の豊富な生活空間
    段階的に広さの異なる交流空間を連続的に用意し、多様な生活シーンを演出する。
  • 患者とスタッフが交流しやすい開放的な機能空間
    スタッフステーションはオープンカウンターとし、病棟毎に特徴のあるスタッフサーブの機能ゾーンをそのバックヤードに集約する。
  • 地域にやさしい明るく豊かなデザイン
    床には、可能な限りタイルカーペットを採用(聴覚)し、木とMDF中心の素材を生かしたシンプルな構成(視覚・触覚)、オゾン脱臭(臭覚)等により五感にやさしいインテリアとする。

充実した生活空間のために

患者の立場に立って、充実する生活を送ることのできる環境を考え、次のような提案をしている

  • 家庭的でケアしやすいヒューマンスケールの空間
    病棟を4つに分割し、そのクラスターごとにリビング、談話コーナー、私物・リネン庫、汚物処理室、便所、洗濯、洗面コーナー、シャワー、食堂(5階のみ)などを設置し、基本的な生活がクラスター毎に完結する。

病棟におけるパブリックな空間の段階化が、所属意識による心理的な場の違いを与え、空間の多様性を感じさせる。一方でチームナーシングによるきめ細やかなケアを誘導している。

Award

  • 医療福祉建築賞2000/日本医療福祉建築協会(受賞歴→

掲載誌

  • 会誌 『病院建築』 No.132(2001.7)
  • 雑誌 『病院』 第61巻 第2号(2002.2)