2008年にあさかホスピタルD棟が竣工した後、A(1999年竣工)3つの既存建物を使い運用されていましたが、森の棟はそのうち2つの既存建物を建て替え、病院全体の機能を再編成するプロジェクトです。病院運営を継続しながらの建設となる為、3期工事に分かれ、全体が完成するのは2023年になります。

■あさかホスピタル森の棟1

森の棟1期の主な機能は通所機能と病棟機能になり、1Fはデイケアセンター、2Fは合併症病棟、3Fは認知症治療病棟、4Fは県内初となる児童思春期病棟となっています。 

病棟内はゾーンごとに異なる機能を持った病室を設けることで、それぞれの専門的な病棟に合わせた構造としています。同時に個室的多床室の採用や共用部の充実等、あさかホスピタルプロジェクトでこれまで大切にしてきた、豊かな治療・療養環境を作ることを目指しました。

23期では、メインのファサードが新たになり、外来や検査機能の拡充、ホールやレストランなどが完成し、外構を整備するとともにホスピタルアートの整備も行っていきます。地域の医療の拠点として、また多くの人にとっての居場所となるようプロジェクトを進めていきます。

■あさかホスピタル森の棟2

今回完成した2期は、今後工事を行う3期と機能的にはもちろん構造上も一体としています。結果、一部完成していない内科、脳神経外科・内科外来診療部や薬局は手狭な中で、また売店や総合相談支援室などは本来の場所ではない仮設的なスペースでの運用となっています。 

そのような中でも、1期棟に入る児童思春期病棟につづき2期では新たに児童思春期のデイケアが整備され、子どものための環境が整いつつあります。

2階には医局と事務部門が総合スタッフルームとして同一空間に統合され、打合せゾーンなどを共有することで、各部門が横断的にコミュニケーションをとることができる構成としています。3階のホールは法人内の行事や研修のみならず、学会の開催等にも対応できる広さと機能を備えています。

1期棟や既存棟とつながることにより必然的に生まれた中庭空間は季節を感じられる植栽を配した庭とし、廊下を移動する患者さんやスタッフの方々が足を止めてひと息つける景観を提供しています。